株式、為替(FX)、仮想通貨など問わず、「取引コスト(手数料・スプレッド)」の有無とその程度に比例する形で、その後の運用パフォーマンスに「雲泥の差」が現れる事も珍しくない事から、投資・トレードを行うに当たって必然的に発生する取引コストは、その後の『運用パフォーマンスを左右する1つの要因』に他なりません。

もちろん、どの程度の時間軸を前提に取引を行うかで、その捉え方も変わる余地があると思いますし、それこそ、数ヶ月〜数年という「長期」を前提とするならば、基本的に、取引(売買)を数多く重ねる事がない為、先立つ取引コストの運用パフォーマンスに対する「影響度」はそこまで大きくならないものだと思います。

ただ、「短期(1日〜数日)」を前提に取引を行うならば、1日の内に数回、場合によっては、数十回、数百回と取引を重ねる事もある以上、その度に発生する「小さな損失(取引コスト)」が、最終的には『目も当てられない額まで膨れ上がる事』も決して珍しくありません。

よって、あなたの投資・トレードスタイルが、まさにここで言う「短期」に該当するのであれば、取引コストを限りなく抑える事は、もはや「必須事項」という事になるものの、現実はそうでなく、一定数の投資家・トレーダーは「相応の取引コストに甘んじている」のが実情なんです。

そして、そこには「そうせざるを得ない理由」があると考えられる事から、取引コストを限りなく抑える事は、一見難しいように感じてしまいます。

とは言え、然るべき「市場(相場)」と、それに準ずる「取引業者」さえ選択できれば、取引コストを引き下げる事は十分可能であり、それこそ『(限りなく)ゼロ』にする事も不可能ではありません。

当然に負うべきコストとして認識されている手数料・スプレッドは、現実として「避けられる」という事です。

「手数料」と「スプレッド」の違い、並びに、その意味について

株式や為替、仮想通貨などを通して、取引(売買)をご経験の方であれば、これら手数料・スプレッドの違いは、既にご認識頂いているかもしれません。

ただ、取引のご経験がさほど無いような方であれば、これらの違いを明確に認識できていない可能性もある為、ここでは、手数料・スプレッドの違いについて、少し補足させて頂きます。

まず、先立つ「手数料」についてですが、これは単純に、取引の度に徴収される「マージン」を意味するもので、取引会社毎に異なる手数料率が設定されている事が通常です。

ただ、対する「スプレッド」については少し難解で、まず端的に一般的な解説の上では「買値と売値の価格差」とされるものの、それが「どういった事を意味するのか」がいまいち分からないかもしれません。

そこで一度、以下の画像をご覧ください。

こちらの画像は、「bitFlyer」という仮想通貨販売所における、ある時点でのビットコイン「買値(左)」と「売値(右)」の価格を示しているものであり、その「価格差」として、27万円以上もの開きがある事がお分かり頂けるはずです。

このような価格差こそが、まさしく「スプレッド」に当たるものである事から、仮に、この販売所でビットコインの売買を行う場合、「4,638,302円」で購入した時点で、27万円以上の値上がりが無ければ利益を出せない事になります。

要するに、「4,367,830円」でしか売却できないビットコインを「4,638,302円」で購入させられるという事です。

その上で、なぜこのような価格差が生じるのかというと、これは単純に、その価格差(上記の場合、1ビットコイン当たり27万円)が「そのまま取引業者の利益になっていくから」に他なりません。

そして、上記の例は、飽くまでも、仮想通貨を前提としたスプレッドの話ですが、このスプレッドという概念は、何も仮想通貨だけに限った話ではなく、為替(FX)の世界ではごく当たり前に取り入れられている収益化の為の手段です(例外的に、株式には、このスプレッドという概念がありません。その理由は後述します)。

故に、上記の事を踏まえて、株式、為替、仮想通貨の売買を斡旋する取引業者というのは、手数料・スプレッドという収益を得る手段を携えた上で、これらの内いずれか、もしくは、両方を拠り所として儲けを出しているという事です。

取引コスト(手数料・スプレッド)における優位性が高い相場とその理由

その上で、まず「然るべき市場(相場)」に対する回答を申し上げるならば、単刀直入に、それは『仮想通貨』であり、私が調べた限りでは、他の株式や為替などの市場と比べても『群を抜いて取引コストを抑えられる』傾向にあります。

ただ、一定数の投資家・トレーダーは、現行の仮想通貨にみられる「値動きの荒さ」を「高リスク」と捉えている傾向にある事から、(仮想通貨と比べて)相対的なリスク度合が低いとされる「株式」や「為替(FX)」を主として取引を重ねているのが実情です。

「値動きが荒い = 高リスク」とは限らない

仮想通貨(ビットコイン)は、ものの数時間で数十万、数百万円と値が変動する事が頻繁にある為、その点だけに目を向けると、一見「リスクが高い」と思ってしまうのも無理はありません。

ですが、極端な話、1円でも損失が生じた時点で運用資金を引き上げれば、それ以上のリスクを負う事もないという意味で、値動きの荒さに比例する形でリスクが高まるとは限らないんです。

以下の記事では、そんなリスクの「本質」、及び「その正体」について、できる限り詳細に言及しておりますので、興味があれば、併せてお読みください。

> 投資・トレードにおけるリスクの考え方と根本的な回避策について

とは言え、それら市場は仮想通貨と比べて「取引コストを抑える手立てが限定的」であり、それと相まって「相対的な取引コストが高い」のが実情である事から、それら市場における投資家・トレーダーは、取引の度に、相応の取引コストを支払っている事になります。

その為、取引コストが足枷となって、「最終的な収支がプラスにならない」という人も決して少なくありません。

もちろん、取引コスト以上に「相場の先行きを予測する何らかの基準」が最終的な収支を決定づける要因である事は言うまでもありませんが、それでも取引を重ねれば重ねるほど、無視できないレベルの「損失」を伴う可能性がある以上、取引コストが収支に及ぼす影響は決して侮れないのも事実です。

故に、取引の主戦場を株式や為替などの相場(市場)から仮想通貨に移行するだけで、収支が明らかに向上するケースも考えられる事から、少なくとも、主要相場(株式、為替、仮想通貨)におけるそれぞれの取引コストを比較し、適宜、自身に適した相場を選択できなければならないという事です。

「株式相場」と「為替相場」における手数料・スプレッドの実情

その上で、先立つ株式相場は、基本的に「板取引」に基づく取引形式が採用されている為、そもそも「スプレッド」という概念は、ほぼ無いに等しいのが実情です。

板取引とスプレッドの関係性について

そもそも板取引とは、特定の取引所に集まった「買い注文」と「売り注文」が以下画像で示しました「板」と呼ばれる一覧に表示され、そこで順次注文が執行されていく取引形式の事を指します。

要するに、取引したい人達の「買いたい価格、数量」と「売りたい価格、数量」をリアルタイムに反映した『集計表』が板に該当し、その上で、双方の価格がマッチした注文から順次約定されていく形式が板取引に該当するという事です。

故に、板取引の性質上、買い手と売り手の「マッチング」に基づく約定が基本となる事から、買値と売値を業者側が指定できない、つまり「価格差を生み出せない」為、基本的に、板取引を前提とする取引には『スプレッドが(ほぼ)存在しない』という事になります。

タイトルが入ります。

括弧書きで「(ほぼ)」と書きましたのは、板取引であっても、多少の価格差(スプレッド)が生じる余地がある為です。

とは言え、上記画像の価格差からもお分かり頂ける通り、1BTC(約440万円)当たり2838円(4,391,752円 ー 4,388,914円)と大した金額にはなりません。

ただ、板取引の場合、こちらが「購入したい数量」、もしくは「売却したい数量」に対して、相手方が「同数量以下の反対注文」しか提示していなければ、当然「部分的」にしか注文が執行されないですし、それこそ、相手方が一切存在しない場合は部分的にすらも執行されません。

つまり、どのような時も全ての注文が即時約定されるとは限らないのが、板取引における1つのデメリットに他ならないという事です。

とは言え、十分に大きな市場であれば、それ相応の出来高(売買総数量)が伴う為、数百万円、ひいては、数千万円程度の注文なら普通に執行されていく事が殆どです。

よって、このデメリットは、基本的に「余程の注文数量(それこそ、億単位)を即座に約定させたい人」に当て嵌まるデメリットであり、一般の投資家・トレーダーには、そうそう当て嵌まらないと考えて差し支えありません。

よって、株式相場の場合、一方の「取引手数料」のみが徴収される形になり、一般的には以下2つの手数料プランに大別されます。

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・取引の度に手数料が徴収されるプラン
・1日の取引額に応じて手数料が徴収される定額プラン

多少、取引業者(証券会社)により、その手数料率が異なるものの、大まかな目安は、以下で示しました通りです。

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「取引の度に徴収される手数料目安」
10万円以内:100円〜200円
100万円以内:400円〜800円

「1日の取引額に応じて徴収される手数料目安」
100万円以内:0円〜500円
100万円以上:800円〜1000円

飽くまでも、ここで示しました手数料は目安に過ぎませんが、1日あたり100万円ほどの売買を行う場合、「取引毎の手数料プラン」で1ヶ月に1万円前後、「取引額に応じた手数料プラン」で1ヶ月に2万円前後の手数料が発生するという事です。

ただ、対する『為替相場(FX相場)』に関して言うと、前提として、株式のような板取引に基づく取引形式ではなく、FX業者が指定する「買値と売値」に基づく「相対取引(FX業者との直接取引)」が基本である事から、株式相場で発生するような取引手数料を「無料」とするFX業者が多い傾向にあります。

故に、為替相場では、必ずと言って良いほど「スプレッド(買値と売値の価格差)」が発生する傾向にあり、FX業者は、まさにそのスプレッドを「拠り所」とする形で収益を得ているわけです。

取引手数料「0円(無料)」には御用心

このところ、取引手数料0円を謳う取引業者をしばしば見かけるようになりました。

ただ、この手の話には、それ(無料)を可能にするカラクリが存在して然るべきであり、その1つが「過度のスプレッド」に他なりません。

取引業者によっては、手数料を徴収しない代わりに、利益目的でスプレッドを通常以上に引き上げているようなケースも普通にあります。

当然、このスプレッドによる価格差が開けば開くほど、不利な売買を強いられる事になる為、今後、取引業者を選ぶ際は、「取引手数料」と共に「スプレッド」も必ず確認するようにしてください。

その上で、為替相場における現行の平均的なスプレッドとして、「ドル円」を例に挙げた場合、おおよそ0.2銭(0.002円)〜1.7銭(0.017円)程となっております。

これを具体的なコストとして換算すると、100万円分の買いポジションを建てた場合で20円〜170円、1000万円分のポジションを建てた場合で200円〜1700円の含み損を抱えた状態で、取引をスタートする事になるという事です。

タイトルが入ります。

利用する取引会社、もしくは対象とする通貨ペアによっては、上記で挙げました「数倍」〜「十数倍」のスプレッドが設定されているケースも珍しくありません。

ただ、ここまで解説した範疇で手数料・スプレッドを踏まえるだけだと、一見「大した額ではない」ように思えてしまうかもしれません。

とは言え、短期売買を繰り返す前提であれば、1日に数回〜数十回、ひいては数百回と取引を重ねる事もあると思いますし、加えて、「レバレッジ」を活用すれば、一気にその額が跳ね上がっていく事になります。

それこそ、目も当てられない「損失」が、取引コストだけで生じる事も現実として十分考えられるという事です。

対する「仮想通貨」の手数料・スプレッド面における優位性

対して、仮想通貨の場合、基本的な取引形式として「相対取引(直接取引)」と「板取引」の2つの形式が存在する事から、手数料とスプレッドの両方が発生する余地があり、投資家・トレーダーは、自らの投資・トレードスタイルなどを鑑みた上で、このどちらかを選択する事になります。

その上で、代表的な仮想通貨業者で「相対取引」を主軸としているのは、

タイトルが入ります。

・BITPoint(ビットポイント)
・Coincheck(コインチェック)
・GMOコイン

・DMMビットコイン

この辺りで、これらの取引業者は、いずれも「取引手数料0円(無料)」を謳っているものの、当然、それ相応のスプレッドが設けられている場合が多く、現行のビットコイン(1BTC = 約440万円)をベースとした場合のスプレッドが「1BTC当たりの取引で、おおよそ24万円〜27万円以上」にも及ぶ事から、そもそも短期売買向きではありません。

一方、「板取引」を主軸としている代表的な仮想通貨業者は、

タイトルが入ります。

・bitFlyer(ビットフライヤー)
・bitbank(ビットバンク)
・Bybit(バイビット)
・GMOコイン

などであり、一部、取引手数料が発生するケースもあるものの、先立って取り上げました取引業者のスプレッドに比べれば、そのコストはごく僅かです。

また、通常の板取引とは別で、「ビットコインFX(仮想通貨FX)」という名目の板取引も存在し、このビットコインFXを提供している取引業者の中には、取引手数料を「無料」とする取引業者も存在します。

要するに、仮想通貨においては、ビットコインFXをベースとしながら「然るべき取引業者」を選ぶ事で、手数料・スプレッドを実質的に『タダ(無料)』にできるという事です。

そして、その代表的な取引業者が、他でもない「bitFlyer(ビットフライヤー)」であり、手数料・スプレッドを踏まえて、私が最も推奨する仮想通貨業者になります。

私の投資・トレードスタイルは、数十分〜数時間を前提とした、いわゆる「デイトレード(デイトレ)」と呼ばれる範疇で取引を行なっている為、本記事でもお伝えしてきました「手数料」と「スプレッド」は相当綿密に見定めた上で、上記「bitFlyer」を選択した事は間違いありません。

その上で、bitFlyerにおける「ビットコインFX(bitFlyer上では、Lightning FX)」にて取引する場合は、文字通り、取引手数料が無料である事から「かなりの好条件で取引を行っていく事ができる」という事です。

変動手数料 (SFD = Swap For Difference)について

とは言え、bitFlyerにおける「ビットコインFX(Lightning FX)」は完全に手数料が発生しないわけではなく、相場状況に応じて「SFD(変動手数料)」という手数料が発生する事があります。

このSFDという手数料は、「現物のビットコイン価格」と「Lightning FXにおけるビットコイン価格」に5%以上の乖離が生じた時に発生する手数料で、これはbitFlyer側が「現物の価格」と「FXの価格」を乖離させない為に導入されている仕組みです。

ただ、現物の価格とFXの価格が5%以上も乖離するような状況は、そうそうありませんので、実際、このSFD手数料が発生する事も滅多にありません。

また、その乖離率は、取引画面上でも常に確認できるものですので、必要に応じて(乖離率5%に近づいた場合、超えた場合)、取引を控えれば、容易に回避する事が可能だという事です。

まとめ:取引コスト(手数料・スプレッド)における優位性が高い相場とその理由

以上、『取引コスト(手数料・スプレッド)における優位性が高い相場とその理由』というテーマでお届けしました。

本記事では、短期売買における取引コストを引き合いに、「仮想通貨」、ひいては「ビットコインFX」の優位性を解説させて頂きましたが、何もコスト面での優位性だけが仮想通貨の利点ではありません。

仮想通貨(主に、ビットコイン)は、その性質上、「テクニカル分析」との親和性が非常に高く、然るべき視点とプロセスで分析を行えば、かなり高い確率で先々の値動きを予測しやすい為、むしろ、こちらの方が「目玉」と言っても良いくらいだと思います。

以下の記事では、そんな仮想通貨とテクニカル分析の親和性について、詳しく言及しておりますので、興味があれば、併せてお読みください。

> 仮想通貨(ビットコイン)とテクニカル分析の親和性について

本記事の内容が、あなたの投資活動のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。